データクリーンルーム登場の背景 プライバシー問題 概論

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プライバシー議論の始まり

ファジーなデータの出現

従来、個人のデータはどのように「取得がされ、保存がされ、活用がされるか」は明示がされてきました。

このアンケート応募情報は、キャンペーンと当社商品案内にのみ利用します、などです。

ところが、インターネットを含む通信の発展によって、”明示されない”データの利用が加速しました。

例えば、使用許諾が明示されているデータには
・医療情報データ
・金融情報データ
等があり、これらは明確に、用途も管理方法も定められています。

一方、使用許諾が明示されていないデータには、
・Web/TV閲覧データ
・位置情報/移動情報データ
・購買情報データ

等があり、個人と紐づいてはいるものの、どういった活用がされうるのか、比較的グレーといいますか空白が存在していました。

近年、そういったグレーな/データも規制が必要だ、ところで、データのプライバシーの規制が始まっています。

データ保護の歴史

技術的な規制と法的な規制がスパイラルに進行します。
アドテクノロジーの話では技術対応のほうが重要なので、2本立てで説明します。

技術的な規制

2017年、safariブラウザにおいて、ITPの適用が開始されました。ざっくり、cookieが使えなくなるやつです。
2020年、Google Chromeブラウザでも同様に、2年以内にcookie規制を始めるとの発表がありました(結局延期されますが)。

SafariやGoogleによる3rd Party Cookie利用制限、AppleによるIDFA利用制限
これらが、僕らがデータ分析・活用していくうえで対処しなければならないテーマだったりします。

法的な規制

技術的な規制の裏にある、法的な規制・規制を成立させた生活者の声を見ていきます。

最もインパクトがあったのは2018年のGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)施行です。
GDPRは、EUを含む欧州経済領域(EEA)域内で取得した「氏名」や「メールアドレス」「クレジットカード番号」などの個人データを EEA 域外に移転することを原則禁止しています。行政罰規定があり、違反行為に対しては、高額の制裁金が課されるリスクもあります。

また、そもそもそういったデータの取り扱いにも十分注意を払わなければならないものになっていて、個人情報を取得するかどうか、の判断にも影響を与えました。

さらに2020年CCPA施行・個人情報保護法改正交付といった国内外の規制が始まります。

データの取り扱いがより厳しく、より難しくなっていくわけです。

プライバシー保護への対応策

規制をそのまま受け入れると・・

規制により、広告経由のCV計測や、それに紐づくユーザー分析などが、Cookie/IDFAの制限によって影響を受けています。

具体的には、safariユーザーがリターゲティングできなくなる、デバイス横断のCV情報に欠損が大きくなる、などです。

施策に必要な効果測定やターゲティングなどで、必要なデータの母数が減ってしまう、正しく計測できなくなる、というのが現状の規制の影響として出てきます。

それで、満足でしょうか?
お金を払っているのに効果が不明、その態度どうなんでしょうか。

というところで・・

規制をクリアする座組=データクリーンルームの登場

規制のハードルをクリアしデータセーフティな環境でデータ分析を行う仕組みが求めらるようになりました。

そうはいっても、法的な規制もあり厄介で、それを解決するためにデータクリーンルームが考え出されました。

各プラットフォームが保有しているデータや外部データをプライバシーの保護の課題をクリアにし利用できる環境、これがデータクリーンルームです。

クリーンですので個人情報関連の規制はすべてクリア、という理屈です。

各媒体によって細かい詳細は異なりますが、データクリーンルームの中で、
各プラットフォーマーのデータ(ID単位のデータ)を、IDを特定しない形での分析
ガイドデータを結合してより深い分析
を行うことができます。

データクリーンルームがどのようにプライバシーの保護の課題をクリアにしてるのか、ところについては、大きく2つあります。

1つ目は、データクリーンルームに入れる人間が限られている、点です。
誰でも入れる環境ではなく、限られた人がアクセスできる、ゆえにセーフティーさはその人たちさえ守れていれば担保できる、ということです。

2つ目は、プライバシーに配慮したアウトプットしかできない、点です。
アウトプットしたデータに個人が特定されるようなもの・個人に関連するような情報は絶対に存在しない状況でしかアウトプットを出せないような仕組みになっているので、データクリーンルームを利用すればプライバシーを損なわない範囲でデータ分析ができる、ということになっています。

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