データクリーンルームへ外部データを突合する際のマッチングキーとは

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key
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データクリーンルームの最大の利点、それは、広告レポートの不自由さから解放されることでも、今まで見らなかった軸で広告レポートを出せることでもありません。
広告配信へリスト連携できさえすればそれが目玉かつ最大になりえるのですがそうではなく・・

第三者データとマッチングさせたレポーティングができること、です。

この記事では、どのデータクリーンルームがどんなマッチングキーを受け入れているのか、見てみます。

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第三者データとマッチングすることで見えてくるもの

自社1st party data

言わずもがな、自社のデータで広告効果を評価することができます。
突合するキーを持っておく必要はあるものの、会員登録する形のWebサービスであればメールアドレスや電話番号、アプリであればRDIDなど、CRM領域の分析が主になる以上何かしらのキーは保有していないほうがむしろ変です。

広告効果の評価方法としては、例えば、

これまで:購入完了、でしか評価できていなかった
DCR突合:3か月や1年間など、累計購入回数を加味した広告評価ができる(LTVに近い概念で評価できる)

これまで:アプリインストールでしか評価できていなかった
DCR突合:休眠復帰への貢献やActive度合い引上げへの貢献など、新規獲得以外の部分への効果も評価できる

など、質的にリッチになったり、施策効果を網羅的に把握出来たりといいことづくめです。

調査会社のパネルデータ

調査会社のパネルでは、自由な設問を投げることができます。
自由とはいえマッチングする都合上、特にクリエイティブ別分析などを考えている場合にはある程度の母数(1,000程度~)が担保できた方が安全です。

母数さえ担保できていれば、例えば、

認知や理解などファネルの浅いところをリッチにするための広告(たとえばYoutube予約型やYahoo!ブランドパネル、Meta動画広告など)について
これまで:認知を疑似的に表すサイト来訪で評価するしかない。あるいは、リーチで評価する。
DCR突合:目的同様のKPI、認知目的の広告を認知という指標で評価できる。

これまで:自社製品のオンライン購入への貢献しか評価できない
DCR突合:自社製品のオンライン+オフライン購入(ドラッグストアなど)への貢献や、他社製品流出防止への貢献を評価できる

など、施策目的に沿って正しく広告評価・次回プラニングへ活用できたり、ビジネス全体への貢献を評価できたりと精度向上への寄与が大きいです。

データベンダーのパネルデータ

データ販売会社、例えばLandscapeやfoursquareなど、パネルを持っている会社を頼りそのデータを使わせてもらう方法です。
全数で持っていたり、正しいデータと推計データで持っていたりと様々ですし、データベンダー次第でいろいろなデータが手に入ります。

例えばBtoB事業者が、BtoB関連リストを手に入れた場合、

これまで:microCV地点(例えば事例閲覧者)の内訳は不明
DCR突合:BtoBに関連する顧客候補になりえる人たちの流入で分析できる

これまで:BtoBターゲティングしているので広告クリック者はすべて顧客候補として価値は同じ
DCR突合:各プラットフォーマーのBtoBターゲティングの精度検証・visit単価の重みづけが可能

といった形で、しっかり評価できるようになります。

広告代理店のパネルデータ

別途取りまとめています。
テレビ視聴ログや生活者意識/シグナルなどをそろえたデータセットが強いですね。

DCR別マッチングキー

Google/ADH

RDIDは使えますし、youtubeの分析であればこれがないと話になりません。
また、直近Personally Identifiable Information=PII(mail / telほか)も使えるようになりました。
とはいえPII、当たり前ですがGoogle経済圏のもの=gmailドメインのもののみです。スマホがアンドロイドであればほぼほぼgmailアドレスは持っているはずで、そこまで不自由はないですが・・

なお、Cookieは非推奨ですが突合する方法はあります。

Yahoo!/DCR

RDIDおよびメールアドレスが使えます。
メールアドレスはYahoo!経済圏の、yahooドメインのものが基本ですね。

PayPayやLINEはZホールディングスの一味ですが、Yahoo!DCR分析上はそのデータは入ってきません。

LINE/LDH

RDID、メールアドレスに加え、PIIである電話番号、さらにはLINEの独自IDであるUIDが使えます。

LINEをいれていないスマホを探す方が難しいと言われるレベルのアプリで、アプリゆえにRDIDはとれており、マッチング率は驚異的です。
かつ、LINEでキャンペーンを実施している場合はUIDが手元にあるはずですのでそれも使えます。

Twitter/DCR

現状、RDIDしか使えません。
公式には・・ですが。

Meta/AA

RDIDに加え、メールアドレス、電話番号といったFacebook登録時に入力されることの多いデータが使えます。
カスタマーマッチの際のメールアドレスマッチング率はイマイチでしたが、DCR・Advanced Analyticsの場合も目覚ましいわけではないようです。

なお、氏名や住所でもマッチングできると言われています。驚異的です。

Amazon/AMC

メールアドレスならびに電話番号が利用できます。
他のデータクリーンルームとは異なりRDIDを利用できない点に注意が必要です。

マッチングキー別 DCR

RDID

AMC以外のすべてで使えます。
Google Ads Data Hub、Yahoo!DCR(Hakoniwa/Cocoon/etc)、LINE Ads Data Hub、Twitter Data Clean Room、Meta Advanced Analytics

app系のキャンペーンをAmazon DSPで実施していることは稀ですので、自社データで分析するカギ位においては不自由はないかなと。
広告代理店のデータマッチング時にはやや苦労する点です。

メールアドレス

Twitter DCR以外のすべてで使えます。
Google Ads Data Hub、Yahoo!DCR(Hakoniwa/Cocoon/etc)、LINE Ads Data Hub、Meta Advanced Analytics、Amazon Marketing Cloud

メールアドレスが使えるとはいえ、ADHとHakoniwaに同じアドレスは使えない(突っ込むことはできますが突合しない)、Metaのマッチング率はそこまで高くないなど、プラットフォーマーにより質に差は出てきます。

マッチング出来ない分を、マッチングできた分で全体を代替するとみなす、としていいかどうかは各自判断となります。
例えば、ADHはGmailのみですが、これはiOSよりも圧倒的にAndroidの特徴が強く出ることになります。
それでいいのかどうか、です。

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