指名検索数をKPIとして計測する方法(データクリーンルーム含む)とは

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昨今話題の、KPI=指名検索、メディアの目的は指名検索数を上げること、そんな状況において、指名検索数をどのように計測するか、データクリーンルームでどう扱うのが良いか、おまとめしました。

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指名検索させたい背景

指名検索をKPIとするケースについて

広告プロモーションは、もちろんそのプロモーションで求める最重要KPIの最大化のために行うもので、その最大化のためのメディア・広告メニューのフォーメーションが組まれていることでしょう。

顕在層を狙うようなメニューであれば、すでにActiveな人たちをいかに刈り取るか、が重要になってきます。
Web上で追える一番深いであろう地点、すなわちWeb CVで評価したり、その先のCDPにたまるような健康食品や化粧品の本品引き上げ・定期購入完了やSaaSなど営業マンの商談後の契約完了など、ビジネス成果に直結する指標がメディアKPIの候補となります。

が、たとえば顕在層を狙うメニューでも比較的浅いものであれば、動画やバナーを見た後に指名検索させること、これをマイクロCV・中間KPIとして設定することもあるかもしれません。

潜在層を含むメニュー、例えば、自社商材は広くとらえると50代以上の女性と相性がいいのでその人たちを狙う、そんなメニューについて、KPIの設定は悩ましいものです。
当然、その中には顕在層も含みますので、顕在層向けのKPIで計測することは間違いではありません。が、そもそも広告接触者の中の顕在層の割合は多くないケースがほとんどですので、顕在層リーチ効率の悪さから成果は悪くなりがちです。
ですので、潜在層が多くいることも踏まえ、ニーズが顕在化したときに自社サービス指名で行動してもらえるようにと、認知や理解などの意識指標をKPIとするケースや、顕在化までの日数を区切ったうえで指名検索をKPIとするケースがあります。

広告接触後1日以内の指名検索、であれば顕在層の行動を。
広告接触後28日以内の指名検索、であれば潜在層も含む行動を。
それぞれ計測できているといえます。

指名検索を行う媒体/プラットフォーム

扱っている商材やサービスにより異なります。

例えば自社サイトとECプラットフォームで家電を販売している場合、指名検索を行うのは通常のGoogle/Yahoo!などに加え、Amazon/楽天でのダイレクトな(GYを挟まず直接ECプラットフォームで検索するような)行動も図るべきです。
今回の素材はAmazon内検索に特に効果的だった、そんなこともわかってしまいます。

例えば家具を自社サイトで販売している場合、指名検索はもちろん通常のブラウザでGoogle/Yahoo!にて行われるでしょう。
が、実は家具、インスタグラムにて家具コーディネートを参考にしていらっしゃる方も多いです。と言いますか、インスタが伸びれば売れる、そんなものも普通にあります。
ですので、インスタ内のハッシュタグ検索数や、飛び道具的にtwitterでの指名検索数もみたい、そんなタイミングが来るかもしれません。

また、どのデバイスで指名検索するのか、でいえば、BtoB商材であればオフィスアワーはPC・タクシー広告を実施していればスマホも・・であったり、スマホ一択にしたりと、商材特性を考えて絞ってしまうのもありです。

指名検索の計測方法

指名検索を図りたいプラットフォームは、Google、Yahoo!にとどまりません。
Amazonだって、Instagramだって気になるわけです。どこまで取れるのか、見てみましょう。

データクリーンルームに存在するデータセット

Yahoo!のデータクリーンルームといいますかDCRプロジェクトでは、Yahoo!での検索ログを使用することが可能です。
もちろんこの検索ログは、検索した後の流入サイトから逆算して・・というものではなく、検索バーで検索キーワードを入力し、検索ボタンを押した時点のデータが手に入ります。
つまり、リスティングを出していようがいなかろうが、自然検索で上位に上がろうが上がらなかろうが、そんなことは関係なく生活者の検索行動を追うことができる、というわけです。

もちろんYahoo!のデータクリーンルームを使用しますので、Yahoo!広告の効果しか原則見ることはできません。Youtubeにサーチリフト効果はあるのか、それはYahoo!ブランドパネルとどちらが大きいのか、などの分析はできないわけです。
他方、外部データを使用することで、例えばTVCMによる検索リフト効果を見ることはできます。かつ、この検索リフト、競合流出防止効果、なんて視点でも分析可能です。

Yahoo!以外のデータクリーンルームについては、芳しくありません。
Google ADHでは自然検索データを将来的に入れ込む予定がある、とのアナウンスは出ていますが、その実装時期は未確定です。
Meta/InstagramやTwitter、LINEではそもそもそういったオーガニックのデータを公開していません。
Amazonでは、スポンサープロダクト広告かスポンサーブランド広告を出稿していればImpが紐づきますので自然検索数として扱うことも可能です。ただし、公告が出稿されるようなキーワードに限ります。

Amazon広告の種類はこちらをご参照ください。

広告代理店が持つデータセット

広告代理店の中に検索ログデータを持つ会社があるのだろうか、という問いですが・・
答えはNo、ありません。
無いからこそ、各社データクリーンルームで対応しているわけです。

が、検索数を疑似的に推計する手法は存在しています。
直近リリースの出た博報堂グループでは、指名検索をはじめとする検索行動をある程度把握可能なログデータを保有しているようです。

業界初、博報堂が検索リフトのデータクリーンルーム横断計測サービスをローンチ
博報堂グループ(博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)がデータ...

博報堂のデータであれば全プラットフォームのDCRに突っ込むことができますので、Twitterのサーチリフト効果、Youtube×TVCMのサーチリフト効果といったものが把握できます。

ことデータクリーンルームソリューションにおいては電通の後塵を拝し続けてきた博報堂グループですが、ここにきて一つ違いを見せてきました。

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