LINE版データクリーンルーム、LINE Ads Data Hub・LDHは直近注目が高まっています。
その背景にある業界の動きとデータセットについて解説します。
LDH 拡販の業界動向
LINE社、トレジャーデータ社と業務提携契約を結んでいます。
LINEのデータクリーンルームソリューションをTDが開発・協業すること、LINE活用促進のためのデータ連携の強化やソリューションの開発を推進すること、が目的だそうです。
裏裏では、TreasureDataの導入というのも当然あるものです。データクリーンルームを触るためには、TD環境でなければならないような縛りがありそうですね。
リリース記事はこちらです。
この中で、開発領域として、
Treasure Data CDPとLINEのマーケティングソリューションのデータ連携を容易にするためのAPI開発を行う、と記載があります。APIの種類として、
・LINE広告へ広告配信セグメントデータ連携(すでに提供中)
・LINE広告のコンバージョンAPI(FacebookでいうところのCAPIのような形)
・LINE公式アカウントに対し顧客データ連携
が挙げられています。
データクリーンルームの分析結果を、そのままデイリーで流し込める、そんな形も見えてきます。
ADH for Marketerの目指す世界を、一歩先に実現しそうです。
なおLINE社は9,200万人、TreasureData社は顧客プロファイル760億、アクティベーション50億/dayと公表しています。
合わさると、日本人ほぼ全員に対してかなりリッチなデータが手に入ることになる・・可能性もあります。
が、TreasureData側のデータがどこまで提供されるのか、そもそもTDを導入している企業がどれだけ増えうるか次第なところもあります。
LDH データセットの魅力
LINEが他のプラットフォーマーと決定的に異なるのは、SNSでありかつそのオーガニックデータをデータクリーンルームで叩けることにあります。
Ads Data Hubといいつつ、Adsの領域を飛び出しています。
具体的には、もちろんLINE広告など運用型やTalk Head Viewなど予約型に加え、LINE公式アカウント、LINEチラシといった定常型・キャンペーン型の取り組みも併せて評価できます。
現状スタンプの分析はできないのでスタンプバラマキがどの程度効果があったのかは見れないのですが、今後の開発スコープには入っているとの話もあります。
スタンプだけダウンロードされすぐブロック、ではなく、その後の継続的なコミュニケーションにどの程度効いているのかを見ることができ、それはスタンプ投資できるかどうかの判断にもかかわってきます。
公式アカウントの頑張りも評価できると、ブランディング施策がダイレクトに、ビジネス成長にどう寄与していたのかを可視化・チーム間連携をより強固に、一層ワンチーム間をもって施策に取り組むことができるようになります。
現状代理店(電通・博報堂・サイバーエージェント)しか触れないLDHですが、TD拡販によるデータの民主化、期待です。