AmazonではAmazon特有の用語が多数使われています。ASIN、ベンダーセントラル、セラーセントラル、カート落ちはその代表例で、他にもエンデミックなど特殊用語が多々ありますが、クリティカルに購買に影響するもの、またデータクリーンルームでの分析に影響する4KWについて、解説します。
ASINとは
ASIN=Amazon Standard Identification Number
アマゾンが振っている、書籍を除く商品識別番号のことで、B0から始まる10桁(実質8桁)のコードです。
商品詳細ページの中段にも出てきますが、そんなことよりもURLを見たほうが早いです。
重要なのは、楽天市場とは異なり、1商品1ASIN1商品詳細ページ、であることです。
つまり、同じ商品を販売している場合、同一の商品詳細ページの中でどの販売経路が選ばれるか競い合うことになります。
競い合う際に重要になってくる概念が、Amazonが販売しているのか、Amazonで販売しているのか、の違いです。
ベンダーセントラルとセラーセントラルとは
ベンダーセントラルとは、メーカーが自社商品の在庫をAmazonに卸し、Amazon自身が販売する方式です。Amazonが中心になる枠組みです。
セラーセントラルとは、Amazon出品業者が自らAmazonを介して商品を販売している状態です。
セラーセントラルの中にも、Amazonの倉庫に在庫を預けている場合(FBA)と自社倉庫から直送している場合があります。
なんにせよ、
ベンダーセントラル=AmazonでAmazonが販売
セラーセントラル =Amazonで販売
という状態です。
メーカーからしてみるとベンダーセントラルではAmazonに卸した段階で売り上げが立つので、ある種安心です。安心ではあるものの、価格交渉力はAmazonが強かったりします。その値段じゃ売れないので買わない、という理論です。
ユーザーから見分ける必要がある場合は少ない(公式で買わないと保証が付かないなど)ですが、販売元を見ればベンダーなのかセラーなのかがわかり、出荷元を見ればAmazon倉庫=FBAなのか自社倉庫なのかがわかります。
カート落ちとは
通常ECにおけるカート落ちとは、商品がカートに入れられた状態で離脱してしまうこと、を指します。
もちろんAmazonのカート落ちにその意味はあるのですが、そこに追加の意味合いが加わってきます。
ASINは1商品1ページ、競合する販売会社がいる場合は”カートに入れる”ボタンを押した際に仮決めされ実際購入される際に変更が入る可能性もある、という状態です。
1商品に対してAmazon.co.jpを含めた複数の出品者が存在しており、その競争に負けること、これもAmazon用語でカート落ちと呼びます。
この特殊なカート落ちが発生する背景ですが、ベンダーセントラルであっても起こってしまいます。
仮に、メーカーがAmazonに対してベンダーとして商品を卸している場合でも、同一の商品をセラーで別の販売会社がより安い価格・より早い配送スピードなどで出品をしている場合、該当商品の出品者はセラーの出品者に切り替わることがある、という意味です。
Amazonはより安く・より早い配送・在庫状況・出品者の評価等、より良い条件を出せる出品者を優先して表示する方針だから・・だそうですが、いやいやAmazonさん頑張ってください、といいたいところです。
が、これはAmazon以外の要素が理由のこともあります。例えば、別ECプラットフォームや家電量販店でセールを実施した際の転売品、ドラッグストアからの転売品などです。Amazonの足を引っ張らないように、値引き戦略は特に気を付けましょう。
AMC分析時に気を付けるべきこと
AmazonのCVは、ASIN単位で管理されています。
つまり、誰が売ろうが、そのASINで売り上げが1件立てばその1件はデータクリーンルームで分析可能、という、ある種メーカーにやさしい仕様になっているわけです。
そんな仕様ではあるものの、本当にベンダーAmazonやセラー自社の商品が売れたのかどうか、結局他社にかすめ取られていないかどうか、といった裏取りは必須です。
せっかく分析した内容も、現実感がないとみてもらえないなんてことも少なくないためです。
逆に、分析上は広告が効いているように見えても肌感とあわない場合は、
・最後の最後でカート落ちしている
・リフト効果がない
のいずれかの可能性が高いです。
カート落ちが起きていないか確認しつつ、せっかくのデータクリーンルーム、リフト効果も見てみせんか。