Amazon スポンサープロダクト広告、Amazon スポンサーブランド広告、Amazon スポンサーディスプレイ広告、Amazon DSP MS、Amazon DSP SS・・さらにはプレミアムパッケージやfire TV広告、フレッシュサンプリングなどの変わり種も含め、Amazon広告は分類が細かいです。
スポンサードしてない広告なんてないはずなのでもはやその文字いらないのでは・・という話は、Yahoo!スポンサードサーチ(Yahoo!のリスティング広告)同様ですが、受け入れるしかありません。
スポンサー広告は3つありますが、どれがいわゆるリスティングなのか、そもそもそれぞれどこに掲載されるどんなメニューなのか、など。基礎情報をおまとめしました。
Amazon広告
ざっくり概要
軸としては、
・掲出対象:KWが検索されたときに出す広告か、指定商品やカテゴリ閲覧時に出す広告か。あるいはユーザー特性に合わせて出す広告(およびその掛け合わせ)か。
・掲載場所:Amazon内に出す広告とAmazon外に出す広告
の2軸です。
Amazon外に出すことができるプロダクトはAmazon内にも広告配信できるため、Amazon外(オフサイト)もカバーしているかどうか、で見ることになります。
Amazonの特性は何といっても”豊富な購買・閲覧データ”と”検討から購買までカバー”する点。Amazon内広告はもちろん、そのデータを使ったAmazon外広告も配信単価などの制約を補って余りある成果を上げることもあります。
例えばですが、
Nielsenのレポートですが、商品の比較検討時に利用するサービス、Amazonが1位だそうです。
最初からAmazonで検索してしまう、特にレビューや関連商品を探す、といった行動でしょうか。比較サイトよりも強い、というところも意外性があります。
そんなAmazonの中で生活者との接点を持っていくことは、特にAmazon内に広告を出稿している企業(エンデミック)であればきわめて重要なことです。競合にばかり接点を持たれてしまうと、せっかくの見込み顧客が流出してしまいます。
アプローチ軸は、リスティングっぽいかどうかです。
データクリーンルームで分析可能な広告
Amazon広告は細かく分かれていますし、ここ最近も新しいメニューが登場してはいるもののAMC、Amazonデータクリーンルームで分析できるメニューは
Amazon スポンサープロダクト広告
Amazon スポンサーブランド広告
Amazon スポンサーディスプレイ広告
Amazon DSP
の4つだけです。
(サイズミックを使った配信、という軸もありますが、基本的に変わりません。)
それら4つのメニュー×リスティングっぽさ、で見ていきます。
“検索”と連動させることができるもの
必ずしも検索キーワードターゲティングが必要なわけではなく、商品/ASINやカテゴリを指定しておけばそれと関連する検索時に広告を出す、という、ある種KW設定をお任せできる機能も備わっています。
スポンサープロダクト広告
いわゆる、Amazon内のリスティング、といえばスポンサープロダクト広告を指します。
単にスポンサー広告と呼ぶこともあり、例えばAMCでの表記はsponsored_ads_trafficだったりするのでややこしいことこの上ないです。
スポンサープロダクト広告の特性ですが、リスティングの確実な1位掲載を除くリスティング同様の特性、とも言えます。
顕在層である特定キーワード検索者に対しオーガニック商品と並列で広告露出が可能です。大半の生活者は、グレーで薄いスポンサーの文字に気づくことなくクリック・そのまま購入してくれます。
当たり前ですが、商品名KWなど顕在度合いが高ければ高いほどROASが良い傾向にあります。
逆に、カテゴリーKWのほうが競合KWよりもROASが良い、なんて現象も起きます。CPCの問題ではなくCVRの問題、競合商品名で検索している人をその状態から自社に振り向かせることは難しい、といった理由だと推察されています。
また、表示場所も検索結果ページ・商品詳細ページの下部など豊富でして、比較的CPCも安価に運用可能です。
スポンサーブランド広告
スポンサープロダクト広告のリッチバージョン、検索時に一番上に出せるメニューがスポンサーブランド広告です。
場所が最上部ではなく検索結果画面の真ん中あたりになってしまうものの、なんと動画も出すことができます。
とはいえ一番の魅力は最上位表示です。最上位枠、1検索に対し1広告枠しかありません。つまるところ入札競合が起きやすくCPCは高騰しがちです。ですが、掲載できるクリエイティブサイズが大きいため画面占有率は高く、その分他社流出を防ぐことができます。
自社KWを購入し競合をブロックすることで使われがちなメニューです。広告主にとっての必要悪、とも言えるかもしれません。
あるいは、カテゴリーKWで強化する例も見られます。
ロボット掃除機、で検索すると、eufyというブランドが出てきました。
通常、TVCMでよく見かけるiRobot/ルンバをイメージして検索しがちですが、ルンバが作ったロボット掃除機のイメージ感・認知度・興味関心度合いをコバンザメのようにかっさらうことができます。マーケティング予算の使い方として上手な戦い方です。
特にAmazonセール期は熾烈な争いになりますが、カテゴリーKWであっても比較的ROASが合いやすいメニューでもあります。
“検索”と連動しないもの
スポンサーディスプレイ広告
商品(自社/競合)や興味関心を複数指定可能な広告メニューです。
このメニューのメインは商品詳細ページ内への広告が掲出です。特に競合商品ページ閲覧者に対しブランドスイッチ促進を促す目的でつかわれることが多いです。
他にも、Amazon topページや検索画面ページの左メニュー最下部などにも掲出されます。
ターゲティングの方法は大きく2種類、コンテキストターゲティングとオーディエンスターゲティングがあります。
コンテキストターゲティングでは、
商品=指定した商品(ASIN)ページに対して広告配信
カテゴリ=広告対象商品と類似または補完関係のあるAmazonの商品カテゴリページに対して広告配信
広告商品類似セグメント=広告商品に類似する商品の詳細ページを見たユーザーに対して広告配信
などを指定します。
オーディエンスターゲティングでは
Amazonオーディエンス=閲覧・購入履歴をベースにしたセグメント。インマーケット・ライフスタイル・インタレスト・ライフイベント等
リマーケティング=指定した商品・類似商品・カテゴリについて、商品ページ閲覧者、購入者
などを指定します。
Amazon DSP
Amazon DSPはその代表で、Amazonが保持する膨大なデータ活用と購買意欲の高いユーザーにターゲティングが可能、かつ柔軟な配信ができるメニューです。Amazon内はもちろん、Amazon外への配信もできます。動画だろうがバナーだろうが、です。
Amazon DSPの中にはSS(セルフサーブ:自分たちで運用するもの)とMS(マネージドサービス:Amazonが運用するもの)がありますが、基本的にSSのほうが自由度が高いです。
が、”アルコール商材をAmazon内で訴求すること”はMSでしかできないため、その場合はMSも使うことになります。
いずれにせよ独自セグメントは使えますので、Amazon内で商品を売っていない企業でも活用の道は広いです。
例えば、健康志向・カロリー関心層に健康増進保険を訴求したり、キャンプ用品やベビー用品を購入始めたユーザーにそれぞれにふさわしい車を訴求したり、などです。
自分たちの商品/サービスが振り向いてもらえる瞬間=シグナルを、Amazonセグメントで再現してアプローチ出来ます。