Google Ads Data Hubとは。概要、そして分析上の制限

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Googleが持つデータクリーンルームAds Data Hub(ADH)について、その概要をご紹介します。

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Ads Data Hubとは

概要

Googleが提供するデータクリーンルームで、一定の条件付きではあるものの広告配信データにプライバシーセーフティな形でアクセスできます。

中央がデータクリーンルーム・・・のイメージですね。
青色、Google広告データは広告接触をしたユーザーのGoogleのuser idが入っています。
Google user idについては、RDID / cookie / GAIAなどの複合的なIDとされています。中身を見ることはできません。

黄色、クライアントデータはそれぞれ保有の独自データを”いれることもできる”、というものです。
いれることができるのはGoogleとIDマッチングできる形のもののみ、マッチングできるIDは基本的にRDIDです。

利用可能プロダクト

Ads Data Hubで利用が可能なデータは
Youtube Reservation
Google Ads(検索以外。Youtube/GDN)
Display & Video360
Campaign Manager 360
の4プロダクトです。

各プロダクトごとに「user_id」は分断されており、プロダクトを横断して計測を行うことはできません。

また、プロダクトにより使える分析軸に制限があります。
例えば、静止画広告に対しaffinity分析を行いたい場合、Google Adsであれば可能ですが、Display & Video360では分析できません。

分析上の制限

出力データ:N数・行数

裏技はいろいろとあるのですが、公式宣言としては”集計値としてN = 50以下の結果をアウトプットできない”、とされています。
N=50以下だと特定されうる、というGoogleの判断・個人情報保護法やGDPRなど各種法律をクリアするための制限です。

また、行数が10万行を超えるアウトプットはエラーになります。10万行を超えないように、分析の切り口を工夫する必要があります。
こちらはプライバシー上の制限とはまた別問題ですので、10万行を超えた際に考えて出しなおす形でクリアできます(where区で絞る、dateを分ける、など)。

分析可能なデータの時期

ADH内にGoogle広告接触データがたまっていく、という都合上、ADHに連携した後のデータしか分析に活用することができません。
将来ADHで分析する可能性がある場合・・といいますか、ADHに広告アカウントをつなぐことにデメリットは特にないため、広告運用を行っているのであればすぐにでもADHにつないでしまうべきです。

広告代理店が運用している場合は、その広告代理店がADHを持っているか、つないでいるかを確認しましょう。
自社運用の場合はADHアカウントを開くところからです。

なお広告アカウントのADH連携、UI上でポチポチするだけです。
①広告アカウントUIからつなぎたいADHアカウントIDを入力し申請を出す
②ADHアカウントUIで広告アカウントを承認する
以上です。

appデータとブラウザデータ

WEBとアプリは、ADH内でデータテーブルが異なっています。またそれらのテーブルは連携できず、それぞれ識別子も別のものが使われています。
つまるところ、Web側のテーブルをRDIDで処理する方法はありません。

例えば、RDIDを利用して外部データマッチングを行う場合、RDID識別子としているアプリ面の広告データとしか紐づけることができません。
広告配信のアプリ面比率、どれくらいありますか?アプリ面経由のCV比率、どの程度でしょうか?
1st party dataと連携した分析に意味があるかどうかからよく考える必要があります。

ADH活用の特徴3選

Google保有データ活用

アフィニティ、インマーケットセグメント、デモグラフィックデータ、エリアの4軸が活用可能です。

affinity_id、in_market_id、age_group_id、metro_idでそれぞれ規定されてまして、
affinity:1000種類以上の興味関心カテゴリです。どんな種類があるのか、GA内でも確認できます。

in_market:購買意向のあるプロダクト・サービスです。
こちらもGAで確認できます。

age_group:性別・年齢です。
年齢は18歳以上かつ10歳刻みで、18-24、25-34、35-44、45-54、55-64、65歳以上、といった区分です。

エリア:国、都道府県、市区町村です。
地方の市区町村は母数の問題でそれほど信頼できないのですが・・

外部データ活用

Ads Data Hubではマッチングキー(主にRDID、Gmailアドレス)を用意することで、別のデータセットとマッチング出来ます。
広告主が保有している1st Party Dataと突合することで、アプリ内課金しやすいユーザー/LTVの高いユーザーの獲得に寄与している広告の評価・・CPAからROASへ、そんな広告評価も可能です。

また、第三者データも突合可能なため、広告代理店がもっているようなテレビCM視聴ログパネルデータや、調査会社が持っているような態度変容聴取済パネルデータなど、広告がビジネスの深いところやファネルの浅いところにどう効いていたのかを明らかにすることもできます。

柔軟なレポーティング

Ads Data Hubでは広告ログデータに直接アクセスできるため、柔軟なレポーティングを行うことができます。BigQueryにアウトプットされたデータはGCP内にたまりますので、当然エクセルに吐き出すこともできますし、Lookerポータルで可視化することもできる。

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