Meta/Facebook Advanced Analytics(AA)概要

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Meta
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Facebook/Instagram広告の分析基盤環境、Meta データクリーンルームであるAdvanced Analytics(Meta AA)について、ざっくりご紹介します。

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AA概要

Advanced Analytics (AA) はSQLを利用して広告効果の計測・分析を行うことのできる安全でプライバ
シーに配慮した分析環境です。

ケンブリッジ・アナリティカ事件を受けて、MetaのDCRはすごく規制が厳しい・・というわけでもなく、若干他のData Clean Roomよりも制限があるかもなーレベルではあります。ありがたい。

データ構成・叩き方

仕組みですが、

①Facebook/Instagramのデータ、広告代理店を含む広告主のデータ、その他外部ベンダーのデータを、Meta Business Manager内にあるデータクリーンルーム、Advanced Analyticsに突っ込みます。

②突っ込んだデータを分析するクエリを書きます。

③クエリの審査を受けます。

Meta AAを使えるクライアントが限定されているのはもちろんですが、クエリについてもホワイトリスト申請を受ける必要があります。
つまり、自分で自由にクエリを書くことはできるのですが、自由に書いたクエリは一度Meta側のチェックを受け(2日とかかかる)、チェックが通過した場合にのみクエリをたたくことができる、というものです。

④審査通過後のクエリを回します。

といった流れです。
他のデータクリーンルーム、例えばGoogle Ads Data Hubとは異なり、クエリ自体に審査が入る点がMeta特有です。意図しない挙動をとらないよう、細心の注意が払われています。また、現状クローズドで進行されているというのも大きいですね。

プライバシーチェック

もちろんIDレベルのデータは抽出不可ですが、それ以外にも、個人を特定しないような・個人情報保護の枠組みに引っかからないような規制が設けられています。

例えば、出力粒度は100件以上のIDをまとめたもののみです。
あまりに小さなCV数や、細かく切ることによって小さくなってしまったCV集団は、出力されません。中間CVの設定も重要になってきますね。

また、2000行以上の出力がある場合はNGです。細かく切ってしまうとこれは優に超えてしまいますが(日別時間帯別など)、まあ抜く頻度を上げればいいだけだったりはします。

AAの活用方法

一般的なデータクリーンルーム同様です。大きく2種類あります。

Meta広告単体の深掘り

例えば、Meta Business Managarで機能削除が行われてしまった、アトリビューション分析が可能になります。

ビュー効果も含め、どの広告接点がCVに対して寄与していたのか、個別広告レベルでの評価ができる、問う意味です。

ラストクリックベースの評価では見落とされてしまっていた中間接触の意味、広告を見せることでブランドへの以降を高めるという単純接触効果の加味など、広告によるビジネス貢献を正しく測定するために不可欠です。

Google Data Driven Attributionとは異なり、直前4パス以外も、もっとさかのぼって分析が可能です。

また、もはや4面PO(プレースメント オプティマイゼーション)で配信することさえ当たり前ではあるものの、その中身、プレースメントごとの効果もみることができます。

どの面・どのタイミングでの情報接点が効いているのか、こちらもアトリビューションで見ることにより発見があるものです。

Meta×外部データ

テレデジ重複接触、アプリ課金額と広告接触の関係などなど、掛け合わせるデータによりみることができる要素は多岐にわたります。

ここではいったん、外部データと掛け合わせることでMeta広告をどうアップデートできそうか、に焦点を当ててみます。

例えば、真のリフト効果についてです。

テレビや他の広告に接触していてMeta広告に接触していない人、同じような条件でかつMeta広告に接触している人のCVRを比較し、その差分=リフト、とみなす手法です。

Meta広告に限らず、別にその広告にあたろうが当たらなかろうがCVする予定だった人、は多数存在します。
そういった人の影響を取り除くことで、Meta広告がCVさせた人・その効果を求めるものです。

一般的にリターゲティングのCPAはターゲティング広告のCPAよりも安価な場合がほとんどですが、本当にリターゲティング広告がなければその人はCVしなかったのでしょうか?

といった疑問に答えることができるようになります。

留意事項

外部データとのマッチングキー

主なマッチングキーですが、

メールアドレス
電話番号
姓名
RDID

等です。
注意していただきたいのは、他のDCRで活用可能なことが多いCookieは使用不可であるということ、暗いでしょうか。

姓名でマッチさせることができるのはさすがMetaだな、とは思いますが、同姓同名は割と存在しますので、果たしてその制度はいかほどなものなのか、姓名マッチングとメールアドレスマッチングで精度が変わるのではないか(姓名マッチングの結果は過小評価しているのではないか)など、気になるところです。

Meta AAで(現状)できないこと

例えば現状、以下のことはできないようです。

・オーガニックポストのデータ掛け合わせ
これができると企業SNS投稿/フォローの意味などが寄り精緻に可視化できるので理想だったのですが・・まあ現実仕方のないことです。

・集計データを活用した配信/オーディエンス作成
Google ADHで実装が検討されている分析結果の活用、Metaでも現状できません。CV者の中でも上質なユーザーをリスト化し拡張配信、とかやりたいのですが。。。

・アフィニティなどMeta所有ユーザーデータの掛け合わせ
これが一番意外なところで、ADHでできたような、広告接触者を使い事後的にアフィニティ別効率を推計するようなこともできないようです。

おわりに

様々な制約はあり、また利用すること自体もハードルが高い(現状電通グループ・博報堂グループの身)Meta データクリーンルームですが、アトリビューション分析や広告による真の行動喚起リフト効果算出など、活用意義は高いです。

ぜひ、チャレンジしていきましょう。

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