Yahoo!のデータクリーンルーム、HAKONIWAやCocoonとは

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一世を風靡し、今でも利用者数が多数存在するプラットフォーム、Yahoo!。
Yahoo!での検索やニュース、ショッピングはもちろん、Zホールディングスの一員としてPayPayモール、T-Pointなど、さまざまなデータと連携されている、Yahoo! ID環境下のデータクリーンルーム、それがHAKONIWA、Cocoonです。

なぜ呼び方が安定しないのか含め、この記事で解説します。

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Yahoo!のデータクリーンルーム

データクリーンルームとは

データ × クリーンルーム、特定の人間だけがアクセス可能なプライバシーセフティなIDベースデータへのアクセス環境のことです。

Yahoo!のデータクリーンルームでは、Yahoo! IDをキーにした分析が可能となっています。
Yahoo!社が保有する全量データが格納された環境で、クライアントに応じた分析/配信をIDベースで行えます。 

HAKONIWA、Cocoonとは

Yahoo!のデータクリーンルームですが、Google Ads Data HubやAmazon Marketing Cloudのように誰が使っても同じ名前、というわけではありません。

と、言いますのも、Yahoo!内にデータクリーンルームはあるにはあるのですがそれは代理店開放されているわけではなく、Yahoo!の中の人か代理店内でYahoo!から業務委託を受けた人間だけが触れるものであり、データクリーンルームを開放しているというよりも

データクリーンルームを使ったプロジェクトを進めている

ような形式のためです。
プロジェクトが異なるので、当然名前も異なる、という状況です。

HAKONIWAは2019年に発足したヤフーと電通/電通デジタルの共同分析プロジェクトの名称です。
プロジェクトの名称でありつつ、その分析基盤やソリューション全体を指しています。

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Cocoonは2022年6月に始まった、ヤフーが持つオンライン行動データと、博報堂DYグループが持つデータ基盤を連携させた業務委託分析環境のことです。
電通に遅れること3年・・この辺り、業界の力関係やプラットフォーマーの期待値が表れているのでは、と邪推なさる方もいらっしゃるでしょうが、博報堂はもともとHandy MarketingというYahoo!DMPをいじり倒すための合同会社を作っており、そこまで急ぐ必要がなかった(クリーンではないデータをそのまま触れていた)、といった背景があるようです。

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Yahoo!データクリーンルームの特徴

“唯一”の検索データ活用可能なDCR

Google Ads Data Hubもゆくゆくは対応予定ではあるのですが、Yahoo!DCR、検索データの利用が可能です。
かつこの検索データ、リスティングに限らずオーガニック検索も可能です。(検索リンククリックではなく、くん策したときの情報が利用可能)

Yahoo!で検索するユーザーが一体どれくらいいるんだ、という話ではあるのですが、iPhoneにデフォルトでYahoo!アプリが入っていることもありiPhoneユーザー比率が高めです。
PCでYahoo!、というユーザーももちろんいますが、そのデータがChromeかつGoogleユーザーのデータと同じなのかどうかは注意が必要です。

充実した2nd party data

Yahoo!ニュース、Yahoo!知恵袋などのYahoo! 1st Party サービスのデータはもちろん、Yahoo!・・Zホールディングスグループのデータが利用可能です。

具体的には、CCCのTポイントデータ、PayPay利用データが特徴的です。
PayPayユーザーをもとにして施策効果があったのかどうかを可視化する、特に、キャンペーン後の残存効果(ベースのリフト)があったのかどうかを精確に把握することでキャンペーン効果をより精緻に(これまでの計測数字よりも大きく)出す、といった取り組みが可能です。

電通も博報堂も、PayPayデータ利用のリリースは頻繁に出しています。

もちろん、Yahoo!データと掛け合わせた購買者分析なども可能です。

分析から配信まで一気通貫

Yahoo!データクリーンルームには、Yahoo!1st party data、Yahoo!2nd party dataに加え、クライアント1st party data/CRM dataや代理店3rd party dataの利用が可能です。

それらのデータをかけあわせた結果をそのまま配信につかうことができます。
具体的には、分析結果はYahoo!ID起点で把握できているため、配信対象としてそのIDをそのまま活用できます。

IDをそのまま使う際はユーザーグループを分割してクリエイティブやLPなどメッセージの出し分けや配信対象からの除外がメインで、もちろんIDリストを拡張してターゲティングへ使うことも可能です。

Yahoo!DCRでもできないこと

クライアントCDPへのエクスポート

Yahoo!データクリーンルームへ広告主や代理店データを入れ込むことは可能なのですが、その逆、Yahoo!データクリーンルームからIDリストを江奥主や代理店へエクスポートすることはできません。

これはもちろん個人情報保護の観点から難しいものであり、加えてYahoo!の既得権益を守るという意味合いでもあります。

いずれにせよ、IDマッピング環境はYahoo!側に作るしかない、ということです。

利用可能代理店

現状、電通・博報堂のみ利用可能です。
サイバーエージェント、ADKなどは利用できません。今のところ・・ですが。

また、電通・博報堂の各データクリーンルームは実質同じです。

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